農機具の減価償却方法

農業経営を行っていく上では、「減価償却」についてしっかりと理解しておくことが大変重要です。

農機具は高額なものが多く、減価償却が分からないと経営が圧迫される可能性もあるのです。参考リンク…農機具高く売れるドットコム - 農機具買取

しかし、難しい考え方のため、困っている人もいるのではないでしょうか。そこでこちらでは、減価償却の基本的な考え方や実際の仕訳処理について解説します。

減価償却とは?

減価償却というのは、固定資産(有形固定資産)を購入した際に、購入にかかった費用を一度に計上するのではなく、その固定資産の耐用年数に割り振って、毎年計上していく会計の処理を言います。「減価」というのは、購入した時の価格から価値が減っていくことです。

そして「償却」は、価値が無くなるまでに何年かかるのかということを意味します。例えば、ある車を新車で購入した時は、価格が300万円だったとします。5年後に査定してもらったところ、価格は100万円にまで下がっていました。

5年で200万円減価したことになります。さらにその3年後、つまり購入時から8年後に改めて査定にだすと、値段がつけられないと言われてしまいました。その車は8年で減価償却されたのです。このように、固定資産は購入した時から年々価値が減っていきます。

会社は毎年、決算書という形で自社の保有している資産の価格を明らかにする必要があるため、価値の算定は必須です。個人であればせいぜい車1台を査定に出せば価格が分かりますが、会社となると資産も多種多様ですから、1つ1つ査定をしてもらうわけにはいきません。

そこで、固定資産の種類ごとに耐用年数と言うのをあらかじめ国が決めて、取得にかかった費用をその年数で割り振るようにしているのです。

減価償却の対象となるもの

では、どのようなものが減価償却の対象となるのでしょうか。減価償却できるのは固定資産に限られます。固定資産というのは会社の資産のうち、複数年にわたって所有や使用をするもののことです。固定資産にはさらに、有形固定資産と無形固定資産という区別があります。

有形固定資産というのはその名の通り、形ある資産のことで、車や機械、不動産、建物などです。農機具も、有形固定資産に含まれます。無形固定資産は、特許権や使用許諾権、ソフトウェアなどの形のないもののことを言います。

ちなみに、固定資産の反対語は流動資産といいます。流動資産は現金や有価証券・債権類、商品などのすぐに現金化できるもののことで、会社が一時的に保有しているだけの資産を指します。さて、農機具も減価償却の対象とは言え、具体的にどのようなものが農機具とされるのでしょうか。

まず、トラクター・普通型コンバイン・乾燥機・籾すり機などが農機具に含まれます。また、自脱型コンバインや田植え機、精米機も農機具として減価償却が可能です。さらに、農機具以外にも減価償却できるものは色々とあります。

例えば、ビニールハウスは減価償却が可能です。また果樹棚は、コンクリート造り、レンガ造り、金属造りのいずれであっても減価償却することができます。散水用の配管も減価償却できますし、果樹そのものも、農業では減価償却の対象となります。

繁殖用の肉牛も、資産として減価償却の対象です。

減価償却期間はどのくらいなのか

減価償却をするためにはまず、その資産の耐用年数が何年間かということを知らなければなりません。減価償却の対象物のうち、前述したようないわゆる農機具は、耐用年数が7年で統一されています。ビニールハウスについては材質や、設備とみるか構造物とみるかによって耐用年数が異なりますが、金属骨格で設備とする場合には耐用年数は7年です。

果樹棚や散水用配管は14年とされています。果樹そのものについては、果物の種類によって様々に設定されていますが、例えば、梨であれば26年、桃が15年、柿が36年となっています。

繁殖用の肉牛は6年です。

定額法と定率法

実際の減価償却処理には、定額法と定率法という2つの方法があります。定額法というのは、毎年同じ金額を償却していく方法です。他方の定率法は、償却率を用いて減価償却します。定率法による計算では、購入初期の方が減価償却費は大きく、年数の経過に従って徐々に小さくなっていきます。

購入したばかりの方が資産価値が高いはず、という考え方に基づいた計算方法です。例えば、トラクターを今年の1月1日に800万円で購入したとします。トラクターの耐用年数は10年、償却率は20%と言う条件で、減価償却費を計算します。

まず定額法です。定額法は毎年一定額を償却しますから、その額は「購入価格÷耐用年数」で計算されます。これによると、償却費は年間80万円です。次に定率法です。定率法による減価償却費は「(購入価格-前年までの償却費合計額)×償却率」で計算します。

この計算方法では、初年度の償却費は160万円となります。2年目は128万円となり、以降年々償却費は小さくなります。

直接法と間接法

前項では減価償却費の計算方法について解説しましたが、会計処理時にはもう一つ覚えておくべき考え方があります。それが、直接法と間接法です。直接法というのは、その資産から直接、減価償却費分を減らす方法です。そして間接法は、「減価償却累計額」という科目を立てて、間接的に資産を減少させる方法です。

次項で具体的に解説していきます。

具体的会計仕訳例

先に出したトラクターの例で考えます。購入価格は800万円、耐用年数10年、償却率が20%です。計算を簡単にするために、購入日を1月1日とします。購入時にはまず、以下のように仕訳処理します。(機械類)800/(現金)800

これは、機械類という資産が増えて、その分現金が減ったということを表しています。もし、減価償却をしなかったとすると、このように会計仕訳を行えばそれで終了です。しかしこれではいけないというのが、減価償却の考え方です。そこで、年末に減価償却費を計算して仕訳処理をします。定額法でかつ直接法の場合には、

(減価償却費)80/(機械類)80という仕訳を行って、資産を減少させます。間接法では(減価償却費)80/(減価償却累計額)80と仕訳処理をします。次に定率法のケースです。直接法は(減価償却費)160/(機械類)160

となります。間接法を使うと

(減価償却費)160/(減価償却累計額)160

と仕訳処理することになります。

農家の場合、減価償却が必要な設備が色々とあります。

計算を簡単にするために定額法を採用しているケースが多いようです。

定額法と定率法のどちらで償却するかというのは自由に選ぶことができますが、どちらを選んだかということを管轄の税務署に届け出る必要があります。